訪問看護管理者がスタッフとの関わりで大切にしていること|相談しやすい職場をつくるために

訪問看護・管理者の仕事

スタッフとの関わりで意識していることについては、別の記事でもう少し詳しく書いています。

訪問看護ステーションの管理者になってから、スタッフとの関わり方について考えることが増えました。

訪問看護は、基本的に一人で利用者さんの家に行く仕事です。

事業所に戻れば相談できますし、電話で確認することもできます。

それでも、訪問中は一人で状況を見て、判断しなければならない場面が多くあります。

だからこそ、スタッフが困ったときに相談しやすい雰囲気があることは、とても大切だと感じています。

管理者として何か特別なことができているわけではありません。

むしろ、迷うことも多いです。

それでも、スタッフが不安や困りごとを抱え込まないように、日々の関わり方を少しずつ意識するようになりました。

この記事では、訪問看護管理者としてスタッフとの関わりで大切にしていることや、相談しやすい職場づくりについて書いてみます。

管理者になって、スタッフとの関わり方を考えるようになった

管理者になる前は、自分が利用者さんにどう関わるかを考えることが中心でした。

訪問に行き、状態を観察し、必要なケアを行う。

ご家族の話を聞き、必要な情報を医師やケアマネジャーに共有する。

そうした一つひとつの関わりが、訪問看護の大切な仕事だと思っていました。

もちろん、それは今でも変わりません。

ただ、管理者になると、自分の訪問だけではなく、スタッフ一人ひとりが安心して訪問できる状態をつくることも大切になります。

スタッフが困ったときに相談できているか。

緊急対応や重症ケースが、一部の人に偏っていないか。

提出物や記録が遅れているとき、その背景に何があるのか。

休み希望や訪問件数のバランスが崩れていないか。

そういうことを考える場面が増えました。

管理者は、ただ指示を出すだけの役割ではないと思っています。

現場の状況を見ながら、スタッフが力を出しやすい状態を整えること。

頑張っている人に負担が偏りすぎないようにすること。

困っている人を一人にしないこと。

そういう関わりが、事業所全体の働きやすさにつながっていくのだと感じています。

相談しやすい職場が大切だと思う理由

訪問看護では、相談のしやすさがとても大切です。

なぜなら、現場で起きることは、いつも予定通りとは限らないからです。

利用者さんの状態が急に変わることもあります。

ご家族から不安を相談されることもあります。

医師やケアマネジャーとの連携が必要になることもあります。

そのときに、スタッフが一人で抱え込んでしまうと、判断が遅れたり、不安が大きくなったりすることがあります。

もちろん、スタッフ一人ひとりの判断力を育てることも大切です。

でも、それは「一人で全部抱えること」とは違います。

分からないことを相談できる。

迷ったときに確認できる。

困ったことを早めに共有できる。

そういう環境があるからこそ、スタッフは安心して現場に向かえるのだと思います。

相談しやすい職場は、ただ雰囲気が優しい職場という意味ではありません。

必要なことを言えること。

困ったときに早めに共有できること。

ミスや不安があったときに、責める前に一緒に整理できること。

そういう空気がある職場のことだと思っています。

訪問看護は、利用者さんの生活を支える仕事です。

だからこそ、スタッフ自身も支えられている感覚が必要だと思います。

スタッフが安心して働けることは、結果的に利用者さんへの安心にもつながっていく。

そう考えるようになりました。

スタッフとの関わりで意識していること

スタッフとの関わりで、僕が意識していることはいくつかあります。

特別なことではありません。

でも、日々の小さな関わり方が、相談しやすさや働きやすさにつながっていくと思っています。

まず状況を整理して聞く

スタッフから相談を受けたとき、まず意識しているのは、状況を整理して聞くことです。

訪問看護の現場では、感情が動く場面も多くあります。

利用者さんの状態変化。

ご家族からの強い要望。

医師やケアマネジャーとの認識のずれ。

緊急対応への不安。

そういう場面では、スタッフ自身も焦っていたり、何から話せばいいか分からなくなっていたりすることがあります。

そのときに、すぐに答えを出そうとするのではなく、まずは状況を一緒に整理するようにしています。

何が起きているのか。

いつからなのか。

誰が困っているのか。

今すぐ対応が必要なのか。

医師やケアマネジャーへの共有は必要なのか。

そうやって一つずつ整理していくと、次に何をするべきかが見えやすくなります。

相談を受ける側が焦ってしまうと、相談したスタッフもさらに不安になります。

だからこそ、まず落ち着いて話を聞くこと。

状況を整理すること。

それが管理者として大切な関わりの一つだと感じています。

責める前に背景を見る

提出物や記録が遅れているとき、緊急対応に消極的なとき、報告が遅れたとき。

管理者としては、気になる場面があります。

もちろん、必要な基準は守る必要があります。

提出物の期限や記録、報告、連絡は、利用者さんへの支援や事業所運営に関わる大事なものです。

ただ、その行動だけを見てすぐに責めるのではなく、背景を見ることも大切だと思っています。

単にやる気がないのか。

業務量が多すぎるのか。

判断に迷って手が止まっているのか。

完璧に書こうとして、かえって記録が進まなくなっているのか。

重症ケースや緊急対応への不安が強いのか。

同じ「できていない」に見えても、背景は人によって違います。

だからといって、何でも許すということではありません。

必要な基準は伝える。

期限やルールは守ってもらう。

でも、その前に背景を確認する。

そのうえで、どうすればできるようになるのかを一緒に考える。

管理者としては、優しさだけでも、厳しさだけでもうまくいかないと感じています。

大切なのは、スタッフを責めることではなく、必要なことができる状態に整えていくことなのだと思います。

困ったときに一人にしない

訪問看護では、スタッフが一人で現場に行くからこそ、困ったときに一人にしないことを大切にしたいと思っています。

たとえば、重症の利用者さんや緊急対応が必要なケースは、経験のあるスタッフに依頼しやすくなります。

そのほうが安心な場面もあります。

でも、それが続くと、特定のスタッフだけに負担が集まってしまいます。

一方で、経験の少ないスタッフに急に大きな負担をかけることも避けたい。

だからこそ、誰に任せるかだけでなく、どう支えるかまで考える必要があります。

同行訪問を入れるのか。

事前に情報共有の時間をつくるのか。

訪問後に振り返りをするのか。

緊急時の連絡先や判断基準を確認しておくのか。

そういう準備があるだけで、スタッフの不安は少し軽くなると思っています。

ただ訪問を割り振るだけではなく、その人が安心して訪問に向かえる状態をつくること。

それも管理者の仕事なのだと感じるようになりました。

スタッフに経験を積んでもらうことは大切です。

でも、「任せる」と「丸投げする」は違います。

任せるなら、支える仕組みも一緒につくる。

それが、スタッフの成長にも、事業所の安定にもつながると思っています。

できていることも言葉にする

管理者になると、どうしてもできていないことに目が向きやすくなります。

提出物が遅れている。

記録が足りない。

報告が遅い。

訪問件数に偏りがある。

緊急対応に不安がある。

そういう課題を見ることも、管理者の仕事です。

でも、それだけになってしまうと、スタッフは「できていないことばかり見られている」と感じてしまうかもしれません。

だからこそ、できていることも言葉にすることが大切だと思っています。

利用者さんへの関わりが丁寧だったこと。

ご家族への説明が分かりやすかったこと。

状態変化を早めに共有できたこと。

難しいケースでも、逃げずに向き合っていたこと。

記録や報告が以前より整ってきたこと。

そういう小さな変化を見て、言葉にする。

大げさに褒める必要はないと思います。

でも、「ちゃんと見ている」ということは伝えたい。

スタッフが自分の仕事を見てもらえていると感じられることは、安心感につながると思います。

管理者の言葉は、思っている以上にスタッフに影響することがあります。

だからこそ、注意や指摘だけでなく、できていることもきちんと伝えられるようにしたいと思っています。

無理が偏っていないかを見る

スタッフとの関わりで、もう一つ大切にしたいのは、無理が偏っていないかを見ることです。

訪問看護の現場では、どうしても負担が偏ることがあります。

緊急対応ができる人。

重症ケースを見られる人。

ご家族対応が得意な人。

件数を多く回れる人。

そういうスタッフに、自然と仕事が集まりやすくなります。

もちろん、得意な人に任せることでうまく回る場面もあります。

でも、それが続くと、頑張れる人ほど疲弊してしまうことがあります。

一方で、経験する機会が少ないスタッフは、いつまでも不安が残ったままになることもあります。

だからこそ、業務量や責任が一部の人に偏っていないかを見る必要があります。

訪問件数だけではなく、ケースの重さ。

緊急対応の頻度。

家族対応の負担。

記録や連絡にかかる時間。

休み希望や働き方のバランス。

そういうものを含めて見ることが大切だと感じています。

公平にするというのは、全員に同じ量を振ることではないと思います。

経験や得意不得意、生活状況、成長段階を見ながら、できるだけ無理が続かない形に整えること。

頑張っている人が守られること。

まだ不安がある人も、少しずつ経験できること。

そういうバランスを考え続けることが、管理者として大切なのだと思います。

難しいと感じることもある

もちろん、スタッフとの関わりは簡単ではありません。

相談しやすい職場をつくりたいと思っていても、何でも自由にすればいいわけではありません。

提出物や記録、報告、訪問の責任など、守るべき基準はあります。

スタッフの気持ちを大切にしながらも、必要なことは伝えなければいけません。

このバランスは、今でも難しいと感じています。

強く言いすぎると、相手が萎縮してしまうかもしれない。

でも、言うべきことを曖昧にすると、他のスタッフに負担がかかるかもしれない。

一人に配慮しすぎることで、別の誰かが無理をすることもあります。

管理者としては、誰か一人の気持ちだけを見るのではなく、事業所全体を見る必要があります。

それが難しいところです。

また、スタッフが相談してくれたときに、すぐに解決できないこともあります。

人員体制の問題。

利用者さんやご家族との関係。

制度や運営上の制限。

どうしてもすぐに変えられないこともあります。

それでも、相談してくれたこと自体を大切にしたい。

すぐに答えが出なくても、一緒に整理する。

必要なことは上司や関係者にも相談する。

改善できることは少しずつ変えていく。

そういう姿勢を持ち続けたいと思っています。

管理者も完璧ではありません。

迷うこともあります。

あとから、もっと違う伝え方があったかもしれないと思うこともあります。

だからこそ、自分自身も振り返りながら、スタッフとの関わり方を少しずつ整えていきたいです。

管理者として、これから大切にしたいこと

これからも大切にしたいのは、スタッフが安心して働ける職場を少しずつつくっていくことです。

そのためには、優しい雰囲気だけでは足りません。

基準をはっきりさせること。

困ったときに相談できること。

情報共有の仕組みを整えること。

負担が偏らないように見ること。

できていることを言葉にすること。

そして、スタッフが成長できる機会をつくること。

そういう一つひとつが、働きやすさにつながっていくのだと思います。

訪問看護は、利用者さんの生活を支える仕事です。

その仕事を続けていくためには、スタッフ自身が安心して働けることも必要です。

スタッフが疲れきってしまえば、良いケアを続けることは難しくなります。

逆に、スタッフが相談できて、自分の役割を感じながら働ける職場であれば、利用者さんへの支援も安定していくと思います。

管理者としてできることは、すべてを一人で解決することではありません。

現場の声を聞き、必要なことを整理し、無理が続かない形をつくっていくこと。

スタッフが力を出せるように、環境を少しずつ整えていくこと。

そういう積み重ねを大切にしていきたいです。

まとめ|スタッフが安心して働ける職場を少しずつつくりたい

訪問看護管理者になってから、スタッフとの関わり方について考えることが増えました。

訪問看護は、一人で利用者さんの家に行く仕事です。

だからこそ、困ったときに相談できること。

不安を一人で抱え込まないこと。

できていることを見てもらえていると感じられること。

負担が一部の人に偏りすぎないこと。

そういうことが、スタッフの働きやすさにつながるのだと思います。

相談しやすい職場をつくることは、ただ優しくすることではありません。

必要な基準は大切にしながら、責める前に背景を見ること。

困ったときに一人にしないこと。

スタッフが安心して力を出せる状態を整えること。

それが管理者として大切な役割なのだと感じています。

まだまだ迷うことも多いです。

うまくいかないこともあります。

それでも、スタッフが安心して働ける職場は、利用者さんへの安心にもつながると思っています。

これからも、現場の声を聞きながら、相談しやすく、無理が偏りすぎない職場を少しずつつくっていきたいです。

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